バラの育て方 - 鉢苗

 



上記写真は成長開花時のバラで、状態は季節によって異なります。


準備

バラ鉢苗を手にしたら持ち帰ったり、配送された新しいバラ鉢苗は、できるだけ早くたっぷりと水をあげてください。 土が乾いてしまうことが決してないよう、水やりは毎日必要になるかも知れません。 夏の平均気温が30度になる地域では、涼しくなるまで植え替えを控え、元の鉢のままで育てることをおすすめします。 バラを地面に植え込む際は、周囲50cmほどに畝を作って、根の近くに水を含ませるようにするとよいでしょう。 地面が凍っていない限り、鉢苗は冬を通して植えることができます。


植える場所
少なくとも一日4時間は日が当たり、バラの根が他の植物の根、特に樹木と競争になり過ぎない場所を選びます。 例外的に、ランブラーは樹木の隣に植えることが可能です。 バラは養分を豊富に含んだ、保水力のある土壌を好みます。 しかし、殆どどんな土壌でも、十分な量の完熟堆肥や腐葉土を与えることで、バラに適した土壌を作ることができます。
土づくり
バラには良い土づくりが大切です。植え込む前、植える場所に十 分な量の完熟堆肥や有機肥料を混ぜて50cmの深さまで栄養が行き 渡るようにしてください。そうすることで、力強い生長を促進し ます。鉢に植える場合は、赤玉土と、腐葉土や牛ふん堆肥などの 有機物を、半分ほどの割合で混ぜてお使いください。
植える間隔
小さめのイングリッシュローズやハイブリッド、フロリバンダは、 フォーマルな花だんでは、植栽間隔は50cmが理想的で、密に茂っ た印象を与えます。 ローズボーダーでは、同じ品種を50-60cm 間 隔で3株以上をひとまとめにして植えると、一株の大きなブッシュ ローズのように見えて効果的です(下図参照)。



植え込み

バラが鉢に植わったままの状態で、バケツに張った 水の中に1時間ほど浸し、さらに1時間ほどかけて 水気を切ります。鉢をそっと逆さにして、土の表面 に手を広げ、鉢を軽く叩いてバラ苗を引き出します。 表面に根がたくさん見える場合は、できるだけくず さないように注意しながら、鉢の形を徐々にほぐし ましょう。


植える準備の整った場所に(1ページ参照)、根の長さ よりも少し深めの穴を掘り、デビッド・オースチン のローズフード60gを元肥として土によく混ぜます。 バラの位置を合わせてみて、寒冷地域では接ぎ芽が 地中約10cmほどになるよう、温暖地域では接ぎ芽 がちょうど地面の高さになるように植えます。デビ ッド・オースチンのローズスタートを使う場合は、 穴の上で湿った根にパッケージに記載されている施 肥量を振りかけます。そして元肥を混ぜた土を穴に 戻して手で押し固めてください。


一株につき10リットルの確実な水やりをします。その 後も必要に応じた定期的な水やりによって、バラが 乾かないようにします。


完熟堆肥やバーク、その他の有機肥料を使って、表 土を十分にマルチングをしてください。そうするこ とで、土壌温度を低めにし、湿度を保つことができ るので、良好な条件でバラの栽培を始めることがで きます。

注意: 植え込みの際、他の製品をお使いの場合はパッ ケージの説明書の指示に従ってください。
 

鉢で育てる

イングリッシュローズは、10号以上(もしくは15L以上)の大きな鉢やコンテナで育てることをお勧めします。根が伸びるスペースが十分あるので成長を促すことができますし、土がすぐに乾いてしまうことも防ぐことができるからです。つるバラになるイングリッシュローズの場合は、丈夫に育てるためには約40リットルの鉢に植え替えることをお勧めします。3年ほど経った頃には、鉢替えをするか、または土を全て入れ替えると良いでしょう。


一般的なケアと剪定

水やり
初めの年は数回に渡る十分な水やりが極めて有効です。根 が周りの土壌に素早く広がり、安定した成長とより多くの 開花を促すためです。翌年以降は、特に乾燥する時期は、 時おりジョウロ一杯分の水やりをすると良いでしょう。バ ラの周囲50cmほどに畝を作って、根の近くに水を含ませる ようにするとよいでしょう(前ページの図参照)。

施肥
バラ全般、特に四季咲き性の品種は成長期を通じて十分な 栄養を必要とします。緩行性の有機肥料、または有機物を 基本としたデビッド・オースチンのローズフードのような 肥料が最も適しています。葉面散布は即効性があり、葉を 健康的に保つのに効果的です。どんな肥料を使う場合もパ ッケージの説明書の指示に従い、過剰施肥にならないよう にしましょう。

丈夫なバラ
バラを病害虫から守る最善の方法は、できるだけ株を丈夫 に育てることです。育てる品種にもよりますが、特にシー ズンの初めに薬散するのが効果的です。もし霜が予想され る場合は噴霧を避けましょう。推薦施肥量を正確に守って ください。また、ルゴサ類は葉が焼ける可能性があるので 噴霧は避けましょう。

剪定
剪定のプロセスは簡単です。目的はバラの魅力的な姿を保 つため、またより良い開花と良好な状態を促進することで す。剪定の最善な時期は、12月後半から1月、または2月で す。剪定とは、バラの樹形を整え、枯れている枝、古い枝、 そして弱っている枝を間引きすることです。

四季咲き性のシュラブローズ- イングリッシュローズ、モダンローズ、四季咲き性オールドローズ

初めの年、株がまだ定着していない間は軽く剪定し、全体の2/3を残します。
その後数年間は、もとのサイズの半分を目安に剪定します。
常にバラから少し離れた場所に立ち、全体が魅力的な姿になっているか確認します。
枯れている枝、弱っている枝を取り除いて仕上げ、バラが3~4年経ったら、古い枝を何本か間引きします。
バラの樹高は強めの剪定、弱めの剪定によって簡単に調節することができます。
小さめのシュラブにしたい場合は、樹高の1/3の位置まで剪定します。
図1:線1参照)大きめのシュラブにしたい場合は、樹高の2/3の位置で剪定します。
(図1:線2参照)デビッド・オースチンがおすすめしている通り、イングリッシュローズやその他のシュラブローズを3株ひとまとめ にして植える場合は、一株の堂々としたシュラブという印象を与えるように剪定します。

一季咲きのオールドローズとシュラブローズ
そのままにしておくか、樹高の1/3だけを切り戻し、軽く 間引きするとよいでしょう。(図1:点線2参照)

ブッシュローズ
ハイブリッドティーとフロリバンダは樹高の半分から3/4 の位置で切り戻します。中心になる枝も毎年、強めに間引 きすると良いでしょう。

つるバラ(クライマー)
つるバラになるイングリッシュローズとその他のつる性バ ラは両方とも同じ方法で剪定できます。前年の開花枝を 3~4芽残し、中心になる枝はバラが理想の樹高になるま で剪定の必要はありません。数年後、新しく若いシュート が出たら、古い枝は取り除きます。枯れた枝、弱った枝は全 て取り除き、勢いがある新しいシュートを固定しましょう。

ランブラー
伸びるままにしておくことをおすすめしますが、生長を制 限する必要がある場合はつるバラと同じように扱ってくだ さい。必要に応じて、新しいシュートを固定し、古い枝を 取り除きます。

花がら摘み
花がら摘みは四季咲き性を促し、株を整えます。終わった 花を単に取り除くか、もしくは一番近い5枚葉の付いた枝 まで切り戻します。イングリッシュローズや他のシュラブ ローズは時に勢いよく育ち過ぎ、若干大きくなりすぎるこ とがあります。花の付く枝をもっと切り戻したい場合は、 50-60cmほど切り戻すことができます。

一季咲きのシュラブローズ・つるバラ
一季咲きのバラは品種によっては秋に魅力的なローズヒッ プを付けるため、花がら摘みの必要がありません。

スタンダードローズ
大きく育ててしまうと、風によるダメージをより受けやすく なってしまうため、ブッシュやシュラブとして育てる場合よ りもより正確に剪定する必要があります。ウィーピングスタ ンダードは、長い枝はできるだけ伸ばす一方で、間引きによ って頭の部分が育ち過ぎることを抑制します。また、台木に 出てくる脇枝は、できる限り早く取り除きましょう。


ローズスタート

菌根菌が含まれた、有機物ベース の根張り促進剤です。バラやバラ 以外の植物を植える際、「スタート」 を使うことをお薦めします。根が 張るのを促進し、バラの根による 水や栄養の吸収を助けます。キャ ベツやアブラナ科、シャクナゲ、 サツキなどのツツジ科の植物には お薦めできません。 

ローズフード

デビッド・オースチンの有 機物ベースの肥料で、3 大要素であるチッ素、リン 酸、カリはもちろんのこ と、その他の、丈夫に育 ち上質の花を豊富に咲か せるために必要な微量要 素も含んでいます。ペレ ット状の緩行性肥料は長 期にわたってバラに栄養 を供給します。施肥量な どについては、パッケー ジの説明書の指示に従っ てください。バラ以外の ほとんどの植物にも使え ます。 バラ約25株分用の1.6kg 入りとバラ約10株用の 550g入りがあります。