レクチャー アーカイブ

「イングリッシュローズと暮らす12か月」

3月|土替え・鉢増しと春の準備

春の生育期を迎える前に行う「土替え」と「鉢増し」は、バラの健全な生育を支える大切な作業です。
今回のレクチャーでは、それぞれの目的と効果、そして春に向けた管理のポイントについて解説しました。

土替えのメリット

長く使った土は有機物が減り、固く痩せた状態になりやすく、発根にとって良い環境とは言えません。
新しい培土は有機物が豊富で柔らかく、根が伸びやすいため、発根の促進につながります。

鉢増しのメリット

鉢のサイズを大きくすることで、次のような効果が期待できます。

1.根を張るスペースが広がる
根の成長に比例して枝(シュート)も増え、株の充実につながります。

2.土量が増えて乾きにくくなる
保水力が高まり、水やりの回数を減らすことができます。

3.土替えのサイクルが長くなる
目安として
・6L鉢:約1年
・15L鉢:約2年
・それ以上の鉢:約3年
程度で土替えを行います。

鉢増しの際の注意点

株の状態が弱っている場合に鉢増しをすると、土量が増えることで乾きにくくなり、かえって株に負担を与えることがあります。
その場合は無理に鉢増しをせず、まず株のコンディションを整えることを優先します。

春に向けた準備

春の生育を順調にスタートさせるために、次の管理も大切です。
・落ち葉や枯れ枝を取り除き、掃除・風通し・日当たりなど環境を整える
・芽が動き始める頃に、最初の消毒を行う
施肥を行い、春の生育をサポートする

 

1月|冬剪定の考え方と実践ポイント

冬剪定は、春に力強い芽吹きと美しい花を迎えるための重要な作業です。
今回のレクチャーでは、冬剪定の目的と品種タイプ別の剪定方法について解説しました。

冬剪定の主な目的

冬剪定には、次の3つの大きな意味があります。

1.代謝を促し、シュート更新を助ける
古く木質化した枝、細すぎる枝、向きの悪い枝などを整理し、
健康な枝を残すことで、新しいシュートが出やすい状態をつくります。

2.品種本来の樹形を保つ
枝を不必要に伸ばし過ぎず、
各品種がもつ本来の樹形が乱れないよう整えます。

3.病害虫の予防
脇芽から伸びた細い枝は病気になりやすく、風通しも悪化させます。
不要な枝を取り除き、あわせてテッポウムシなどの侵入にも注意を払います。

タイプ別・冬剪定の基本

 

● シュラブ(木立性)タイプ
・全体の樹高のおよそ 1/3を剪定
・株元から 2/3程度を残す ことを目安にする

● つるバラタイプ
・誘引に使うメインの枝、向きや長さが良く使いやすい側枝は、
 先端の細すぎる部分のみを切り、長さを活かす
・細すぎる側枝は 付け根から切除
・状態は悪くないが多すぎる側枝は、
 芽を2つほど残して切り戻す

剪定後の大切なひと手間

・剪定後は株元の掃除を忘れずに行う
 黒点病などの病原菌は越冬するため、落ち葉や切り枝は残さないことが重要です。

 

11月29日(土)レクチャー開花後の処理と株の充実


秋のお手入れは、翌春に健やかな花を咲かせるための大切な準備期間です。
先日11月29日に開催しましたレクチャーより、ポイントをご紹介します。

◆秋の花後管理について

・秋の開花後は、深い切り戻しは控え、休眠に入るまでできるだけ自然な姿で育てる。
・冬は株がほとんど活動しないため、秋までに蓄えた養分が春の芽吹きに使われる。
 株にまだ動きがあるうちは肥料を施してよい。

◆水やりは株ごとに調整

・気温の低下で株の動きが鈍る秋〜冬は、水の吸い上げ量も変化する。
 鉢の重さや茂り具合をよく観察し、株ごとに水やりの頻度を判断する。

◆植え替えのタイミング

・植え替えの最適期は休眠中の冬だが、秋も可能。
 特に元気な株は、まだ動きのあるうちの方が根が定着しやすいこともある。
・ただし株のコンディションが悪い場合は、まずは水管理の見直しなどで回復を優先する。


イングリッシュローズと暮らす12か月-9月レクチャー-テーマ-夏剪定

✂️ 夏剪定と管理の要点

冬剪定の趣旨は「新陳代謝」で、高さを切り詰め、余分な枝を切り取り、健康的な枝だけを残し代謝をはかります。
夏剪定の趣旨は「調整」で、 伸び切った枝を切り樹形を整えます、そして夏で疲れたコンディションを整えます。

夏剪定は株の負担にならないよう、冬剪定のように深く切らず、樹形を整えることを心がけましょう。
低い位置に生えている爪楊枝や串のような細い枝は切り取り、病気の葉っぱなどは気にせず取り払いましょう。
剪定が済めば、株元の苔や草を取って綺麗にし、施肥のあと土を足しておきます。

夏剪定後は、株の動きが緩慢になるため、水やりに気を付けましょう。
鉢苗の場合、習慣で水をあげるのではなく、鉢が軽くなっているのを確認してから水をあげてください。
重さの確認が難しい大鉢や地植えの場合は、シュートの更新や葉っぱの状態など株の動きに留意し、加減しながら水をあげてください。

人間も犬も猫も、体調や体の大きさによって必要な水の量は違います。
バラも同じように考えると、わかりやすいかと思います。

まとめると

🌿 冬剪定 ― 趣旨は「新陳代謝」
•    高さを切り詰め、不要な枝を取り除くことで株をリフレッシュ。
•    健康な枝だけを残し、新しい芽の発生を促します。
= 株の“代謝”を整える剪定。

🌸 夏剪定 ― 趣旨は「調整」
•    伸びすぎた枝を整え、全体の樹形を美しく保ちます。
•    夏の疲れを癒やし、秋の花に向けてコンディションを整える作業。
※ 冬剪定のように深く切りすぎないことが大切です。

🍃 剪定時のポイント
•    根元近くの「爪楊枝・串のような細枝」は切り取る。
•    病気の葉や枯れ葉は気にせず取り除く。
•    剪定後は、株元の苔や雑草をきれいにし、施肥して軽く土を足しておきます。

💧 水やりの注意点(夏剪定後)
•    夏剪定後は株の動きがゆるやかになるため、水の与えすぎに注意。
•    鉢苗は「習慣」ではなく、鉢が軽くなってから水を与えるのが基本。
•    大鉢・地植えは、シュートの動きや葉の様子を見ながら加減しましょう。

バラも人やペットと同じように、「体調や大きさによって必要な水の量が違う」と考えるとわかりやすいです。

🎥「アーカイブを見る」 → リンク先へ